講演・座談会、シンポジウムなどの発言を速記文字で書き取り、それを普通の文字に直すという仕事をしています。
失礼ながら “速記者” のお仕事って・・・
「国会で発言者の言葉を速記文字で記すこと」だと思ってました。
(東海ラジオ「暮らしに鉄分」取材より)※よくある誤解
ワープロが開発された当時は、録音されたものをワープロで打てば、速記は不要ではないかと言われました。
ところが実際は、その反対でした。
速記文字から普通の文字に直すことを “反訳” と呼んでいますが、トランスクライバーにより反訳が非常に楽になりました。
仕事の能率が3倍以上になり、速記者はこの機械を真っ先に導入したというわけです。
最近は、便利な反訳の機械としてワープロのかわりに、パソコンをフル活用する速記者が増えています。
テープレコーダーにフットスイッチがついたものです。
フットスイッチでテープの再生、停止、巻き戻しをすることができます。
会話を聞きながらの作業をしますので、聞き逃したり、録音されている会話のスピー ドが速かったりすると、テープをストップさせたり、
巻き戻ししたりという作業が多くなってきます。
足でストップ、再生、巻き戻し作業ができるということは、手で行う作業がなくなりますので、作業効率が上がります。
そしてこのフットスイッチは、停止した際に少しだけ巻き戻します。この機能がとても便利なのです。
人の話しを記録する手段としての録音機としては、ビデオ、MD、DVDなども開発され、最近ではICレコーダーも発売されています。
さらに音声をそのままパソコンに入力できる「音声入力ソフト」が開発され、かなり精度が上がってきたため、
またまた「速記は不要」と言われはじめています。
しかし、機械まかせにしても大丈夫といえる状態になるのは、人間と同じ能力を持つコンピューターが出現したときで、まだまだ先のことになります。
とはいえ、こういった音声入力ソフトが反訳の一部に利用できるようになれば、それも活用しようと速記者は考えています。
テープレコーダやICレコーダ、ビデオなど録音機器の進歩により、誰もが手軽に話し言葉を記録できる時代になりました。 しかし実際は、録音機器の不調、マイク数の不足、同時発言、録音機器から遠く離れた発言の難聴など、万全ではありません。 そこで、現場で培われた「録音技術者」と確かな技術と経験を持つ「速記者」が必要とされているのです。
余り深く考えないようにしてくださいね。「難しいのは日本語そのもの」ですが、それを私たちは一生使っていくわけです。 日本語をうまく表現できる力をつけていくことは大切なことですし、また、楽しいことだと思います。 速記の勉強、仕事を通じてこういう能力も必ず身についていくと思います。
「速記」の仕事というのは、4種類に分けられ、それぞれ “人間わざ” が必要となります。
(1)言葉を記録する
(2)正文(編集)する
(3)文字にする
(4)校正する という仕事です。
(1)は、録音機と速記力を使って、ミスのない記録をとるわけです。
(2)と(4)は、特に機械まかせにできない部分です。
(3)は、機械のおかげで助かっていますが、それらをうまく使うのは人間の能力ということになります。
ですから、これらをうまくこなしていけるのが速記者というわけです。
つまり、速記者はちょっと表現は硬いですが、言葉の総合・実践的管理士 ということになりますね。
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